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第4回先天代謝異常症患者会フォーラムレポート

作成日:2016.07.07

第4回先天代謝異常症患者会フォーラムは、おかげさまで会場参加者とWEB参加者あわせて約140名の方にご参加いただき、盛会のうちに終わることが出来ました。
ご参加いただきありがとうございました。

 

テーマ:明るい未来へ手を繋ごう
日時:2015年11月29日(日)9:30~15:30
場所:東京慈恵会医科大学(新橋)1号館5階講堂、6階講堂

 

第4回先天代謝異常症患者会フォーラムは、新たに組織された患者会フォーラム実行委員会(委員長:高柳正樹先生/帝京平成大学)によって運営されました。JaSMInからは、事務局の徐と二階堂が当日スタッフとしてお手伝いに伺いました。

 

第4回先天代謝異常症患者会フォーラムは、【午前の部】、【昼食】音楽演奏(東京慈恵会医科大学吹奏楽部有志)【午後の部】という3部構成で開催されました。また、第3回に引き続き、インターネットによる生中継が行われました。

 

第4回先天代謝異常症患者会フォーラムでは、3つの新たな試みが行われましたので、最初にご紹介させていただきます。

 

1つ目が、インターネットによる生中継を用いた海外の先生のご講演です。アメリカで先天代謝異常症の診療に携わっている先生から直接お話を伺う事が出来、国内だけでなく海外の先天代謝異常症の医療を知ることが出来ました。

 

 

2つ目が、次回以降の患者会フォーラム運営資金のための募金活動です。ご自身も先天代謝異常症とともに生きるHANAさんの作品をクリアファイルとして、1枚200円で販売いたしました。

 

 

3つ目が、会場を2つに分け、片方の会場では中継映像をご覧いただけるようにしたことです。中継会場は主に小さなお子さん連れの方にご利用いただき、お子さんの集中が切れたときにも気兼ねなく遊んでいただける、賑やかな会場となりました。

 

【午前の部】

【午前の部】では、高柳正樹先生(帝京平成大学)をMCとしてお迎えし、3名の演者の方からご講演頂きました。

 

講演1「先天代謝異常症における肝移植のインパクトについて」では、高柳正樹先生(帝京平成大学)から、先天代謝異常症で肝移植をされた患者さんのその後の様子についてご講演頂きました。

 

講演2「いま世界で臨床応用が行われている遺伝子治療について」では、大橋十也先生(東京慈恵会医科大学)から、研究も含めた遺伝子治療の世界的な現状について、希望あふれる状況をご講演頂きました。

 

講演3「特殊ミルクの現状について」では、株式会社明治の金子哲夫さまから、先天代謝異常症の治療では欠かせない特殊ミルクの制作の状況について、丁寧な作業手順や供給の状況などについてご講演頂きました。

 

【昼食】

【昼食】では、東京慈恵会医科大学音楽部管弦楽団有志の方19名による音楽演奏が行われました。お子さんも楽しめる曲を中心とした演奏会で、中継会場から小さなお子さん達も聴きにいらっしゃいました。

 

 

【午後の部】

【午後の部】では、開始前に、2015年7月に急逝された田中あけみ先生追悼の会がしめやかに営まれました。思い出のスライドの上演と共に、先生のお好きだった曲が演奏され、先天代謝異常症の研究・治療にご尽力なさった田中あけみ先生の在りし日のお姿を全員で偲ぶ時間となりました。

 

講演4「米国の先天代謝異常症の患者さんはどうしているの?」では、大石公彦先生(米国マウントサイナイ病院)から、米国での新生児マススクリーニングの状況や、先天代謝異常症の子どもと家族に多職種の医療従事者が関わっている状況についてご講演頂きました。

 

講演5「大きく変わった小児慢性疾患、難病対策の最新情報」では、掛江直子先生(国立成育医療研究センター)から、小児慢性特定疾患と指定難病についてそれぞれの政策の変更点を含めた概要と支援などについてご講演頂きました。

 

講演6「患者登録に関する情報提供」では、徐朱玹(国立成育医療研究センタ―/JaSMIn事務局)から、先天代謝異常症患者登録制度JaSMInの現状と今後の課題についてお話いたしました。

 

 

フォーラム後のアンケート

フォーラム後のアンケートには、52名の方にご協力いただきました。一番興味のあった演題について尋ねたところ、「②いま世界で臨床応用が行われている遺伝子治療について」、「④米国の代謝異常症の患者さんはどうしているの?」、「①先天代謝異常症における肝移植のインパクトについて」(順に、75.0%、57.7%、44.2%)を選択される方が多く、最新の治療や治療効果、海外の状況に関心がある方が多いことが伺えました。

 

また、次回の患者会フォーラムで取り上げてほしいテーマについて尋ねたところ、「③国内外の研究や治療に関する情報」(71.2%)を選択される方が多く、一番興味のあった演題の傾向と同様に、最新の治療や研究についての情報を求められる方が多いことが伺えました。

 

 

ご講演者の皆様、様々な最新の治療、政策の状況について医療の進歩と多くの方に支えられている先天代謝異常症の治療を実感できるご講演をいただきありがとうございました。また、お忙しい中ご参加いただきました皆様にも心より感謝申し上げます。

 

※講演者の所属は第4回先天代謝異常症患者会フォーラム当時のものです